オフィシャルブログ

やまもものよもやま話~口腔ケアと栄養:食べる力を守る在宅のチーム連携 ~

皆さんこんにちは!

合同会社やまもも、更新担当の中西です。

 

さて今回は

口腔ケアと栄養:食べる力を守る在宅のチーム連携

 

食べることは生きる力。

低栄養・脱水・誤嚥性肺炎は在宅生活の三大リスクです。姿勢・一口量・リズムというミニマム原則と、口腔ケア+栄養+連携の三位一体で“食べる力”を守りましょう。

 

1|食べる前の準備:90秒のゴールデンタイム
• 姿勢:座面は膝が90度、足底接地。骨盤を立て、軽い前傾。
• 環境:テレビは消音、食卓は明るく、食器のコントラストを強める。
• 口腔の準備:唾液腺マッサージ・口唇体操・深呼吸で嚥下スイッチON。‍

 

2|安全な嚥下の3要素(姿勢・一口量・リズム)
• 姿勢:顎を軽く引く。飲み込みにくい時は頸部前屈(うなずき嚥下)。
• 一口量:ティースプーン半分から。“小さくゆっくり”が最短の近道。
• リズム:口に入れる→嚥下確認→次の一口。追い飲み禁止。

 

3|食品形態ととろみの使い分け
• 刻み食の落とし穴:口腔内でバラけて誤嚥しやすい。ソフト食・ムース食の選択肢を。
• とろみ:飲料は“とろみ早見表”を冷蔵庫に貼る。濃度の安定が命。
• 水分確保:味噌汁、スープ、ゼリー、果物。“飲ませる”より“おいしく摂る”。

 

4|口腔ケアの実践手順(3分ルーティン)
1) 観察:唇の乾燥、舌苔、義歯の当たり、口臭。
2) 清掃:歯ブラシ→スポンジブラシ(粘膜)→吸引併用可。
3) 保湿:保湿ジェル・ワセリン薄塗り。義歯は外して洗浄・乾燥。
4) 仕上げ:嚥下体操(あ・い・う・べー)。

 

5|栄養の底上げ:タンパク+エネルギー+彩り
• タンパク:卵・豆腐・鶏ささみ・魚の缶詰を常備。
• エネルギー:油の質(オリーブ・えごま)と少量高カロリー補助食。
• 彩り:視覚刺激で食欲UP。ワンプレートで“どれから食べますか?”

 

6|医療・専門職との連携フロー
• 歯科:義歯調整・口内炎対応・定期クリーニング。
• 栄養士:体重・むくみ・食事記録を元に献立提案。
• 訪問看護:嚥下評価、脱水・発熱時のトリアージ。
• 情報共有:写真付き食事記録を週1でカンファへ。

 

7|現場ケース:食欲低下とむせのEさん
• 観察:朝は食べられるが、夕方はむせる。口渇・舌苔あり。
• 仮説:夕方の疲労+口腔乾燥+濃い味の惣菜。
• 介入:夕食前の口腔保湿、薄味+とろみ汁、主菜は柔らかい魚へ変更。
• 結果:むせ回数が1/3に、摂取量も増加。家族は“食事準備チェック表”で再現。

 

8|今日から使えるチェックリスト ✅
☐ 足底接地・軽い前傾で食べ始めたか。
☐ 一口量とリズムを守れたか。
☐ 口腔ケア(清掃+保湿)を習慣化したか。
☐ 食事・水分の記録を写真で共有したか。

 

9|まとめ
口腔ケアと栄養は“命の入口ケア”。小さな手順の積み重ねが、肺炎と入院を遠ざけ、その人らしい食卓を取り戻します。

 

お問い合わせはこちら

apple-touch-icon.png