-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー
皆さんこんにちは!
合同会社やまもも、更新担当の中西です。
さて今回は
福祉用具・住宅改修で“できること”を増やす:道具と環境のデザイン
「人が道具に合わせる」のではなく、「道具と環境が人に合わせる」。福祉用具と住宅改修は、安全×自立×省力の三拍子を実現する最強の投資です。評価〜導入〜微調整〜定着まで、“試して直す”実装手順を紹介します。
1|アセスメント:ICFで“生活の動線”を見る
• 心身機能:筋力・関節可動域・痛み・視力・認知。
• 活動:起き上がり・立ち上がり・移乗・歩行・トイレ動作・入浴。
• 参加:来客対応・買い物・趣味・役割。
• 環境:段差・手すり位置・床材・照明・ドアの向き。
2|用具別・導入のコツ
• ベッド/マット:膝角度90度で立ち上がりやすい高さへ。体圧分散と離床センサーも検討。
• 歩行補助(杖/歩行器):杖の長さは身長の約半分+2〜3cmを目安に調整。歩行器は屋内用コンパクト型が在宅向き。
• 移乗補助具:スライディングシート・回転クッション・ポール型手すり(突っ張り式)。
• 入浴:シャワーチェアの座面高さ、浴槽台、滑り止めの面積を広く。
• トイレ:ポータブルトイレは座面高+肘掛が鍵。夜間導線に足元灯。
• 自助具:リーチャー・ボトルオープナー・滑り止めマットで“あと一歩”を後押し。
3|住宅改修:小さな工事で大きな効果
• 手すり:利き手と動線に合わせて水平+縦のL字配置。
• 段差解消:スロープ・敷居撤去・段差プレート。
• 床材:滑りにくい材質へ。浴室はマット+排水までセットで。
• ドア:開き戸→引き戸でスペース確保。
• 照明:玄関・廊下・トイレの人感センサー化。
4|導入フロー:試す→直す→定着
1) デモ:レンタルで数日試用。
2) 微調整:高さ・位置・角度を1週間で3回見直し。
3) 評価:転倒・介助量・疲労・所要時間を記録。
4) 定着:家族とメンテ担当を決め、清掃・交換時期を共有。
5|費用と制度の押さえどころ(概要)
• レンタル/購入の選択、住宅改修の支給はケアマネと福祉用具専門相談員に相談。
• 加齢での変化を前提に、“今ちょうど”ではなく“少し先”を見越した選定を。
6|現場ケース
• 夜間トイレで転倒のHさん:ベッド高を2cm下げ、ポータブルトイレ+足元灯導入。夜間移動ゼロで転倒消失。
• 浴室で滑るIさん:座面高38→42cmへ変更+広幅滑り止めで自立入浴へ。
• すり足のJさん:廊下角に縦手すり追加で回旋が安定、屋内歩行距離が倍増。
7|今日から使えるチェックリスト ✅
☐ 動線上の手すり・段差・照明を評価したか。
☐ 用具は“高さ・位置・角度”を調整したか。
☐ 試用→再評価→微調整のサイクルを回したか。
☐ メンテ担当と掃除手順を決めたか。
8|まとめ
道具×環境の最適化は、介助量を減らし、本人のできるを増やします。小さな調整の積み重ねが、大きな自立の一歩に。️
![]()
皆さんこんにちは!
合同会社やまもも、更新担当の中西です。
さて今回は
服薬支援とヒヤリ・ハット対策:間違えない仕組みと“飲める”工夫 💊
在宅の服薬は“人の善意と記憶”に頼ると崩れます。
仕組み化(一包化・ピルケース・アラーム・置き場所)と、飲みやすさのデザイン(姿勢・剤形・水分・声かけ)で、誤薬・飲み忘れ・飲み過ぎを防ぎます。薬剤師との連携、ヒヤリ・ハットの共有方法まで、現場でそのまま使える型を共有します。🧩
1|訪問介護で起きやすいリスク5つ
1) 飲み忘れ/重複内服:家族とヘルパーが二重投与。🕑
2) タイミングミス:食前・就寝前のずれ。
3) 誤薬:隣家の薬袋・旧薬の混在。
4) 飲みにくさ:大きい錠剤、苦味、嚥下機能低下。
5) 副作用見逃し:ふらつき・眠気・便秘・低血圧など。
2|“間違えない仕組み”を先に作る(5点セット)
• 一包化+氏名・時間の大ラベル:薬局に依頼し、袋の表に氏名・服用時刻を大きく明記。👤
• ピルケースは“1列1日”:朝・昼・夕・寝る前の4マス。使った列は空にして視覚で確認。
• 服薬カレンダー:カレンダーに○×をつけ、写真で共有(家族・ケアマネ・薬剤師)。
• アラーム:時計/スマホ/見守り端末で時刻を固定化。
• 置き場所の固定:食卓の同じ角。冷蔵庫や寝室に分散させない。📍
3|服薬介助フロー(言い回しの例つき)
1) 準備:手指衛生→薬と水分→氏名・時刻・薬名を確認。
2) 予告:「○○さん、朝のお薬を一緒に確認して、飲みましょうね」😊
3) 確認:ラベル読み上げ→本人にも読んでもらう/指差し確認。
4) 姿勢:座位で軽い前傾、足底接地。嚥下が不安定なら頸部前屈。
5) 内服:一口ごとに嚥下を待つ。追い飲み・まとめ飲みは避ける。
6) 観察:むせ・表情・めまい・眠気。
7) 記録・保管:○×を記録→未使用薬は元の場所に戻さない(誤薬防止)。📝
4|“飲めない”を“飲める”へ:剤形と小ワザ
• 大きい錠剤→口腔保湿→水先→少量ずつ。砕く/割るは自己判断NG(薬剤師へ相談)。
• 粉薬の苦味→ゼリーやプリンと“別口”で(混ぜ込みは薬剤師指示がある時のみ)。
• 嚥下不安→少量・ゆっくり+とろみ飲料の活用(使用法はパッケージ指示に沿う)。
• 利尿薬→午前中に(夜間頻尿を避ける運用)。
5|薬剤師との連携ポイント 🤝
• 残薬・飲み忘れを写真で共有→調整(回数・時刻・剤形)。
• 副作用サイン(ふらつき・便秘・眠気・血圧低下)を時系列で伝える。
• お薬手帳は常に最新に。訪問看護・主治医の情報提供書で三者連携。
6|ヒヤリ・ハットは“仕組みに反映”がゴール
• テンプレ記録:〈日時〉〈状況〉〈起因〉〈対応〉〈再発防止〉を3行で。
• ダブルチェック:訪問前後にラベル読み上げの習慣化。
• 旧薬廃棄:本人・家族と合意し、保管箱を分ける。🗃️
7|現場ケース
• 睡眠薬でふらつくFさん:就寝前→夕食後へ時刻変更+半量へ(医師調整)。夜間転倒が消失。
• 抗生薬飲み忘れのGさん:アラーム+服薬カレンダー写真共有で完遂率↑。
8|今日から使えるチェックリスト ✅
☐ 一包化・ラベル・置き場所は固定化したか。
☐ 服薬介助フロー(準備→確認→姿勢→内服→観察→記録)を守ったか。
☐ 副作用サインを観察・共有したか。
☐ ヒヤリ・ハットを3行で記録し、仕組みを変えたか。
9|まとめ
服薬支援は“正しい手順×見える化”。人に頼らず仕組みに頼ることで、在宅でも安全と継続が両立します。🌟
![]()
皆さんこんにちは!
合同会社やまもも、更新担当の中西です。
さて今回は
口腔ケアと栄養:食べる力を守る在宅のチーム連携
食べることは生きる力。
低栄養・脱水・誤嚥性肺炎は在宅生活の三大リスクです。姿勢・一口量・リズムというミニマム原則と、口腔ケア+栄養+連携の三位一体で“食べる力”を守りましょう。
1|食べる前の準備:90秒のゴールデンタイム
• 姿勢:座面は膝が90度、足底接地。骨盤を立て、軽い前傾。
• 環境:テレビは消音、食卓は明るく、食器のコントラストを強める。
• 口腔の準備:唾液腺マッサージ・口唇体操・深呼吸で嚥下スイッチON。
2|安全な嚥下の3要素(姿勢・一口量・リズム)
• 姿勢:顎を軽く引く。飲み込みにくい時は頸部前屈(うなずき嚥下)。
• 一口量:ティースプーン半分から。“小さくゆっくり”が最短の近道。
• リズム:口に入れる→嚥下確認→次の一口。追い飲み禁止。
3|食品形態ととろみの使い分け
• 刻み食の落とし穴:口腔内でバラけて誤嚥しやすい。ソフト食・ムース食の選択肢を。
• とろみ:飲料は“とろみ早見表”を冷蔵庫に貼る。濃度の安定が命。
• 水分確保:味噌汁、スープ、ゼリー、果物。“飲ませる”より“おいしく摂る”。
4|口腔ケアの実践手順(3分ルーティン)
1) 観察:唇の乾燥、舌苔、義歯の当たり、口臭。
2) 清掃:歯ブラシ→スポンジブラシ(粘膜)→吸引併用可。
3) 保湿:保湿ジェル・ワセリン薄塗り。義歯は外して洗浄・乾燥。
4) 仕上げ:嚥下体操(あ・い・う・べー)。
5|栄養の底上げ:タンパク+エネルギー+彩り
• タンパク:卵・豆腐・鶏ささみ・魚の缶詰を常備。
• エネルギー:油の質(オリーブ・えごま)と少量高カロリー補助食。
• 彩り:視覚刺激で食欲UP。ワンプレートで“どれから食べますか?”
6|医療・専門職との連携フロー
• 歯科:義歯調整・口内炎対応・定期クリーニング。
• 栄養士:体重・むくみ・食事記録を元に献立提案。
• 訪問看護:嚥下評価、脱水・発熱時のトリアージ。
• 情報共有:写真付き食事記録を週1でカンファへ。
7|現場ケース:食欲低下とむせのEさん
• 観察:朝は食べられるが、夕方はむせる。口渇・舌苔あり。
• 仮説:夕方の疲労+口腔乾燥+濃い味の惣菜。
• 介入:夕食前の口腔保湿、薄味+とろみ汁、主菜は柔らかい魚へ変更。
• 結果:むせ回数が1/3に、摂取量も増加。家族は“食事準備チェック表”で再現。
8|今日から使えるチェックリスト ✅
☐ 足底接地・軽い前傾で食べ始めたか。
☐ 一口量とリズムを守れたか。
☐ 口腔ケア(清掃+保湿)を習慣化したか。
☐ 食事・水分の記録を写真で共有したか。
9|まとめ
口腔ケアと栄養は“命の入口ケア”。小さな手順の積み重ねが、肺炎と入院を遠ざけ、その人らしい食卓を取り戻します。
![]()
皆さんこんにちは!
合同会社やまもも、更新担当の中西です。
さて今回は
BPSD(行動・心理症状)への具体対応:環境×関わり×記録 📘
不眠・徘徊・焦燥・暴言・拒否・昼夜逆転
BPSDは“その人のSOS”。環境×関わり×記録の3点で因果を見つけ、再現可能な対応に落とし込みます。医療が必要なサインの見極めも併せて整理します。🧩
1|ABCDEで分解して考える
• A(Antecedent:前兆):直前の出来事・刺激(寒さ・騒音・空腹)。
• B(Behavior:行動):具体的に描写(例:「10分間、玄関付近を左右に往復」)。
• C(Consequence:結果):行動の後に起きたこと(注意で悪化?水分で改善?)。
• D(Deduction:仮説):身体要因(痛み・便秘・尿路感染・低血糖)/心理要因/環境要因。
• E(Evaluation:評価):次回につなげる記録と共有。🔁
2|頻出BPSDと具体策
1) 不眠・昼夜逆転
o 日中活動:午前に散歩・体操。午後の長い昼寝は避ける。
o 光:朝はカーテンを開け、夕方は暖色照明に。📅
o ルーティン:入浴→就寝の順序固定。寝る前の糖分・カフェインを控える。
2) 焦燥・不穏
o 刺激を減らす:TVニュースやSNS動画を“静かめ番組”へ。
o 手持ち無沙汰対策:タオルたたみ、洗濯物仕分け等“役割”を渡す。🧺
3) 暴言・攻撃
o 距離と安全:まず距離を取り、低い声量で短文。複数訪問・男性ヘルパー配置も選択肢。
o トリガーを除去:痛み・尿意・眩しさ・暑さ寒さを先に整える。
4) 入浴・服薬・排泄の拒否
o 選択肢提示:「今?10分後?」「タオル拭きから?」
o 分割法:工程を小分けに(足湯→清拭→上半身→下半身)。🛁
3|医療受診のレッドフラッグ 🚩
• 急激な変化(数時間〜1日で発症):感染症、脱水、脳血管イベントの可能性。
• 発熱・頻尿・強い痛み・意識変容:主治医または訪問看護へ即連絡。
• 転倒後の様子変化:頭部外傷・骨折も疑う。🏥
4|記録の質で対応は再現可能になる
• 〈時刻〉〈きっかけ〉〈行動〉〈対応〉〈結果〉〈仮説〉を1〜3行で。
• 主観を混ぜない:「怒りっぽい」より「声量が上がり『帰る』を5回繰り返す」。
• 共有:次回訪問者とケアマネへの当日共有で効果が倍増。📤
5|家族への説明トーク例(そのまま使える)💬
「最近夕方にそわそわが出ています。夕方の暗さと空腹が影響しているかもしれません。16時に照明を早めにつけて、おやつと白湯をとる小休憩を試してみませんか?1週間記録して、次回いっしょに振り返りましょう。」
6|現場ケース:夜間徘徊のDさん
• 観察:0:00〜2:00に廊下歩行、トイレ往復。冷えと口渇の訴え。
• 仮説:夜間の冷え+口渇+尿意の悪循環。
• 介入:就寝前の白湯・足元毛布・便座の高さ調整・足元灯設置。
• 結果:起床1回まで減少。“白湯カード”で家族も運用継続。🌙
7|今日から使えるチェックリスト ✅
☐ ABCDEで状況を3行に整理したか。
☐ 刺激を減らし、役割を渡したか。
☐ レッドフラッグを見逃さず、連絡先を即時確認したか。
☐ 記録テンプレで共有したか。
8|まとめ
BPSDは“問題”ではなくメッセージ。環境と関わりを整え、再現可能な手順にしてチームで回せば、揺らぎながらも確実に落ち着きは増えます。📘
![]()